土佐珍味うつぼのたたき

高知県産ウツボ

【ウツボのたたきのルーツ】

秋の神祭に「これがないとお客にならん」というほど、土佐市高岡町近辺や須崎市などでは、昔からうつぼのたたきが人気でした。ウツボが高知市内の鮮魚店に出回るようになり、料理店でも仕入れるようになったのは昭和三十年代からです。
それまでは一部の人にしか知られてなくて、一般的にはグロテスクな容姿を見たら食べる気がしない、といのが心情でしょう。どちらかといえば"下魚"(下等な魚)の仲間で、値段も安かったものです。

ところが近年は、淡白で身がしまり、特に皮が美味なところから評判が広がり、高級魚なみの値段です。ウツボは一尾買って家庭で料理、というわけにはいきません。三枚におろしたり、下半身の骨抜きなどは技術を要し、専門家に任せた方が無難です。
ウツボ料理は肛門から上をたたきや刺身、下は骨抜きし、空揚げや天ぷら、煮こごりなどに用いるのが一般的です。

一度食べたら病み付きに。グロテスクの極致ですが味は絶品うつぼのたたき

本場高知のウツボのタタキをお届け致します。


うつぼのたたき

 

◆うつぼのたたきは中まで焼く◆

うつぼのたたきが古くから行われているのは土佐市、須崎市、中土佐町などで、中でも土佐市が発祥の地として最も有力というのが通説のようです。
ウツボ漁で知られる須崎市池ノ浦の古老は、

「昔は釣った魚で値のするものは宇佐の市場へ揚げよった。値のせん(しない)ウツボや小魚は家内がカルイ背負うて横浪半島の山を北側へ下り、舟で対岸の灰方へ渡り、山を越して戸波の方へ売りに行きよった。
けんど向こうでは、ウツボの料理を知らんきに、行った先でたたきの仕方を教えちゃった。昔のことじゃき売るとゆうより、米や麦との物々交換よ。

ウツボのたたきは中まで焼く。これはカツオのように表面を焼いただけでは身が堅いき、うもうない。昔、池ノ浦では、そこら辺にある木を切ってきて焚き、その後にオキで焼きよった。」


また須崎市との関連については、

「いつごろからじゃろうか忘れたが、竹篭でウツボ漁をするようになった。けんど池ノ浦では籠ができんき、須崎の籠屋へ注文して作らすようになった。」

と話していました。

(土佐料理研究家 宮川逸雄氏著書より抜粋)

ウツボのたたき